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株式会社 白寿生科学研究所

 

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WOW!エンタメ〜アート vol.2 ~映画「ボストン市庁舎」





ドラマティックな展開などない。はじめ、何がおこっているのかわからない。そもそもべつのアメリカじゃない?
みているうちに、でも、あ、もしかして、身のまわりと変わらない、おなじかも――
人びとが集まって意見を言う。市長が説明をする。お決まりじゃなく、じぶんのこととして語る。市長だって公務員でしかない、と。


 

ドキュメンタリー、なんだろう。でも特定の誰かにマイクをむけたりしない。そこに人たちがいて、はなす姿があり、顔があり、ことばが撮影・録音されるばかり。
あいまにボストンのうつくしい街なみがスタティックに、配されて。
長尺の274分。気づかぬうちにみている。肩の力はぬけている。
ボストンの、かもしれない。しれないけど、また、同時に、わたし、わたし・たちのこと。日々何の気なしにおくっている生活を支えているのは、こんな人たち、こんなしごと、こんなことばのやりとりなんだ!との(再)発見。


 

トランプ政権期の撮影。ボストンがやろうとしているのは大統領とは違う、との空気がひしひし。こうやって社会はなりたってゆく。
ひとは社会をつくってゆく。では、このアジアの列島は?
海のむこうのはなしじゃなくて、そばのこと、じぶんのことをみなおすために。


 

All Photo: ©2020 Puritan Films, LLC – All Rights Reserved

■配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
■公開表記: 11月12日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー


映画『ボストン市庁舎』オフィシャルサイト
小沼純一Jun' ichi Konuma (音楽・文芸批評家/早稲田大学学術院教授)
1959年東京生まれ。音楽を中心にしながら、文学、映画など他分野と音とのかかわりを探る批評を展開する。現在、早稲田大学学術院教授。音楽・文芸批評家。著書に『武満徹 音・ことば・イメージ』、『バカラック、ルグラン、ジョビン 愛すべき音楽家たちの贈り物』『ミニマル・ミュージック その展開と思考』『魅せられた身体 旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』『映画に耳を』他多数。詩集に『しあわせ』『サイゴンのシド・チャリシー』ほか。編著に『武満徹エッセイ選』『高橋悠治対談選』『ジョン・ケージ著作選』ほか。